井戸水を使用した場合の給湯器の選び方 その1
現在の我が家の給湯器
井戸水用の給湯器の選定に頭を悩ます
今回は、悩みながら我が家の給湯器を選んだ時の話です。
本宅にトイレが出来たところで、今度は風呂場を作ろうと考えましたが、その前に給湯器を購入しておくことにしました。
しかし、わが家は公共水道がないために、生活用水は全て井戸水で賄っております。
この井戸水がネックとなり、給湯器の選定は思ったより難航してしまいました。
6年間給湯器なしで生活
これまでは給湯器がなかったため、家で風呂に入れないのはもちろん、冬場でも冷たい井戸水で皿洗いなどの水仕事もしておりました。 風呂は近所に良い温泉があるので、そこへ定期的に通っていました。
冬場は2,3日おきでいいのですが、夏場は汗まみれになるので毎日でも入りたいですよね。 でも、毎日となるとお金がかなりかかってしまうので、夏場だけはちょっと工夫をして家で風呂に入っていました。 この事は、また別の機会に書いてみたいと思います。
それはともかく、現代の日本ではほとんどの家に給湯器が付いているため、蛇口をひねればお湯が出るのが当たり前になっていますが、この給湯器がない時代まではお湯というのも貴重品だっただろうなと思います。
なにせ、一人分の一回に使用する食器洗いに使う水でも最低10リットルは必要なのですが、これだけのお湯を確保するのにも給湯器がないと大変なんですよね。
これまでは、棟梁にもらった40リットルのお釜を使い、薪で火をおこしてお湯を作っていたのですが、毎日これをやるのはとても大変でした。
もっと早くに給湯器を購入しても良かったのですが、本宅の風呂場近くに給湯器を置きたかったので、今までずっと我慢していたんですよね。
なんと井戸水を使用できる給湯器はない!
さて、前述した通りに、我が家では井戸水で生活用水を賄っております。
給湯器を購入するにあたり、いつものようにカタログを集めたりネットで調べたりしてどのような製品があるのか見ていたのですが、調べていくうちに井戸水を使える製品がほとんどないことに気が付きました。 大体の製品には、井戸水には使えませんという注意書きが付いているのです。
はて?一体なぜ井戸水が使えないのだろうと調べたところ、どうも井戸水の水質にその理由がある様でした。
公共水道と違って、井戸水は水質を調べてみないと何が入っているのか分からない事がほとんどです。 つまり、井戸を掘った場所によって含まれている成分が全く違ったりするので、その水が給湯器にどのような悪さをするのかが分からないんですよね。
水質が分からないという事は、給湯器にどのような不測の事態が起こるのか分からないという事。 当然、給湯器を作っているメーカーとしては、品質保証できかねますという事になります。
まず水質検査をしてみることに
そこでまず、給湯器を購入する前に我が家の井戸水がどのような成分で成り立っているのかを調べてみることにしました。
最初に井戸を掘った時に、水質がどのようなものか知るために保健所へ持ち込んで調べてもらったのですが、その時は簡易検査でしたので飲用に適しているかどうかだけしか分かりませんでした。
この時の検査結果は、煮沸消毒すれば飲用可ということでしたが、きれいな水だと思っていたのに大腸菌が検出されたことにショックを受けた記憶があります。
中川さんにその話をしたところ、大腸菌は人間の便にだけ存在するわけではないので、大抵の井戸からは大腸菌ぐらいは検出されるのではないかと言われました。
中川さんのところも井戸水のみで生活しているのですが、面倒なので水質検査はしていないのだそうです。 ですので、自宅の井戸水に大腸菌がいるかどうかは今も分からないそうです(笑)。
どうやって井戸水の水質検査をしようか?
保健所の水質検査には全項目検査というものもあり、これを依頼して調べてみれば何が入っているのかは全て分かるのですが、高いんですよね~。 確か3万円ぐらいかかったと思います。ちなみに、簡易検査は5千円ぐらいです。
知りたいのは給湯器に悪影響を及ぼしそうな成分だけで良いので、これ以外の方法を探してみることにしました。
ネットで色々調べてみたところ、給湯器に悪影響を及ぼしそうなのは亜鉛と鉄分の2つの成分のようですね。 なぜなら、この2つの成分は長年使うと、給湯器の配管内部にこびり付いて詰まらせることがあるからの様です。 この2つ以外にも影響を及ぼしそうな成分はまだまだあるのですが、キリがないので2つに絞ることにしました。
そこでまず、この2つの成分が我が家の井戸水にどのくらい含まれているのか調べてみることにしました。
といっても、どうやって調べればよいのか全く思いつきませんでした(笑)。 とりあえずネットで調べてみたのですが、どこにも出ていません。
こういう時には、関連することを色々と思い浮かべてみて、そこから手がかりを掴むしかないです。
水質検査で連想されるのは、試験管だとかビーカーみたいなものですよね。 ここから、こういうものはどこに売っているだろうかと考えたところ、東急ハンズやロフトならば売っているのではないかと考えました。
うちの近所には当然ハンズもロフトもないので、神戸に仕事に行った帰りに東急ハンズに寄ってみることにしました。 そこでなんと水質検査キットなるものが売られているのを発見。上の写真がそれです。 数種類の検査項目に分けられて売られていましたが、この内の亜鉛と鉄を検査できるものを買って帰りました。
水質検査キットで我が家の井戸水を調べてみた結果
早速、家に帰ってから実験してみることにしました。
買ってきた水質検査キットは、亜鉛と鉄の他に銅も検査できるものだったので、ついでに銅も検査しておくことにしました。 袋を開けると透明なポリチューブが入っており、それぞれにZnとかFeだとかの印がついています。
先端に細い針のようなものが付いていて、これを引き抜いてからポリチューブごと水を吸い込むようになっていました。
マニュアルも同封されていましたので、その手順に従って検査してみたところ、亜鉛の値が若干高めでしたが、鉄と銅に関してはほとんど検出されませんでした。
値の詳細を書くと、亜鉛が0.2~0.5mg/Lの間で、鉄は0.05以下、銅は0.5以下です。 水道水の水質基準は亜鉛が1mg/L、鉄が0.3mg/L、銅が1mg/L以下と書いてありますので、水道水の基準よりも低い値ですね。
これならば、通常の給湯器に使用しても問題はなさそうです。 他の成分がどうなのかが分からないので、断定はできませんが・・・(笑)。
しかし、井戸水を給湯器に使用するには、もう一つ大きな問題があるのです。 次回はその話です。
関連記事を読む 次の記事