森の中楽給幸足生活

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短期間で簡易小屋(物置)を作る方法2

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体験塾で建てた簡易小屋

簡単に安く小屋を作る方法 その2

短期間で簡単に小屋を作る方法の2回目です。

前回は、建てた柱の上に梁を渡してのせるところまで書きました。

5まで書きましたので、続きの6からです。

6.2組の梁の上に桁を渡す

軒桁をのせた模型

梁の上に軒桁をのせたところ

今度は、の上にを2本渡します。この桁の上に、屋根の下地材になる垂木を乗せていきます。 梁から出た部分は、けらばとなります。

専門書を見ると、けらばの出は910mm以内にしろと書いてありますが(家の構造によって変わるみたい)、通常はその半分の455mmぐらいが多いようです。

都市部に建っている家を見ると、軒先がほとんど出ていない家が多いですが、山暮らしをしていると生活に必要な道具が増えてくるため、雨が掛からない場所が少しでも多く欲しくなってきます

よって、軒先も出来るだけ出したいのですが、あまり出すと今度は強い風が吹いた時にあおられてめくれてくる可能性があるんですよね。

柱と柱の間が同じ長さになるように桁を渡した後、梁と接合していきます。

7.梁の上に束を立てて棟木をのせる

束と棟木をのせた家の模型

真ん中にあるのが束と棟木です

屋根を張るための棟木を支えるを立てます。屋根の形をどうするかで束の位置も変わってくるのですが、ここでは最も一般的な切妻屋根にするものとして、梁のちょうど真ん中に立てています。 この束の長さをどうするかで屋根の勾配が決まってきます

例えば、梁の真ん中(束の位置)から軒桁の端まで1mで、束の長さを50cmにすると5寸勾配になります。 5寸勾配になるとかなり急な勾配ですね。

ちなみに、この勾配は屋根材に何を使うかによって変わってきます

例えば、スレート(セメント製品)と呼ばれる屋根材だと3寸勾配以上と決まっています。瓦屋根だと4寸勾配以上必要になります。洋瓦だともっときつくなるとか。

安く施工したいのであれば、トタン波板と呼ばれる屋根材が最も安く入手もしやすいですね。トタン波板は金属製の屋根材になるので、その場合は2寸勾配以上で十分です。

使用したいと思っている屋根材に合わせて、束の長さがこれ以上になるようにしてください。(瓦屋根はさすがにいないと思いますけど)

余談ですが、4寸勾配以上の屋根になると、高所恐怖症でなくても上に乗ったときに怖いと感じます。2寸勾配の様に緩い屋根でも、屋根材を張っていない状態のときに上に乗って作業するのはかなり怖いです。普通の人であれば(笑)。

立てた2本の束の上に棟木を乗せます。いわゆる棟上げという作業ですね。大工にとっては節目となる大事な作業です。 ここまでくればだいぶ家(物置?)らしくなります。

8.棟木と軒桁に垂木を流す

垂木をのせている家の模型

これで3寸勾配の屋根になります

棟木を取り付けた後で、今度は垂木を等間隔(45cmが一般的)になるように並べて置いて固定していきます。 垂木に使う材料は、45ミリ以上の太さの角材を使ってください。

これ以下だと屋根の上で作業をする時に折れる可能性があるのと、例え折れなくともたわんで頼りない感じがするからです。 棟梁は、垂木にも伐採した丸太を使っていました。さすがにやりすぎだと思いますが(笑)。

丸太を使うと水糸を張って厚みの調節をしなければならないので、かなり面倒くさいです。 そもそも慣れた人でないと出来ないと思いますケド。

上の写真ではかなり太い垂木になっていますが、実際はもっと細くなると思います。

9.屋根・床・壁を張っていく

簡易小屋作成9の模型

こんな感じで床を入れる横材を入れます

垂木の上に屋根材を張ってしまえばもう雨の心配はありません。 その後、じっくり床をはり壁をはってしまえば、とりあえずの住処として使えるようになります。

ちなみに、棟梁は穴を掘ってから屋根を張るまでほぼ半日で終わらせていました。  まぁ、元大工なので早いですね。 教えてもらっている我々(体験塾のメンバー)がいなければ、もっと短時間で終わらせられると言っていました。(ホンマかいな)

通常であれば垂木を流した後で、屋根に野地板か合板を張っていきます

トタン波板を屋根材に使用する場合は、傘釘と呼ばれる専用の釘で固定していくので、この傘釘を打つための横材を垂木の上に張っていく必要があります

この横材に棟梁は12ミリ厚みの安い野地板を使っていましたが、これだと釘が全部屋根裏から出てくるので、通常は3cm以上の厚みのある角材を使うらしいです。

床を張る時は、3で付けた印の位置(青テープの位置)に床材が来るように固定していきます(写真参照)。

後はこの上に根太と呼ばれる角材を、垂木を流していった時のように等間隔で固定してから(455ミリ間隔)合板を張っていけば完成です。

体験塾で作った冒頭の写真の簡易小屋は、露天風呂にするつもりで作ったのでちょっと大きめ(8畳ほど)でした。

床には、確か大引きと呼ばれる根太よりも太い角材を入れていたと記憶しています。小さな簡易小屋ならば、この大引きは必要ないです。

壁は合板を張っていってもいいのですが、安くあげるのであればトタンの角板を張るのが良いのではないかと思います。但し、断熱性は合板より劣りますし(というかほぼない)、安っぽい外観にはなります。

まぁ、物置や仮住まいであればそれでも十分だと思います。