家の模型をハンドメイドする 家を建てる手順
家を建てる前に模型をハンドメイド
今回は、家の建築模型を作った時の話と、その模型を使って家を建てていく時の手順を書いてみたいと思います。
仮小屋を建てる方法を紹介する時にも似たようなことをやっていますが、こちらの方がきれいだし分かりやすいと思います(笑)。
この模型は、この記事を書くまでずっと押し入れの奥にしまい込んでありました。
いつかは自分で自分の家を建ててみたい・・・ そんな気持ちで30代中頃にコツコツと作っていたことを思い出します。
結構役に立った家の模型作り
襟輪小根ほぞを再現
家を建てる前に、家の模型を作ることは必須ではありませんが、作っておくとその後で随分と役に立ってくれます。 予行演習にもなりますしね。
今回の家を建てる前にも、紙とマッチ棒くらいの角材を使って模型を作ってみたのですが、家の構造や間取りを決める際に役に立ちました。
それは簡単なものだったので、家の形すらしていませんでした。
でも、その前に在来構法で家を建てた時の事を考えて、7ミリの角材を切ったり穴をあけたりして、結構精巧な模型を作っていました。
参考にしたのは、100万円の家づくり(小笠原昌憲著)という本です。この本を読んでいて、無性に家の建築模型が作りたくなりました。
実際には、この模型の様な家は建てていないので、今回の家づくりにはそれほど役に立ちませんでした。 まあ、完全に私の趣味で終わってしまいましたね。
今改めて見ると、重ねほぞや上の写真の様な襟輪小根ほぞのような細かい細工まで再現しているので、我ながらよくやったなと思います(笑)。
基礎から土台まで
家の模型を組み立てる前
グレーに塗ってある部分が基礎になります。 この上に土台をのせていくわけです。
上の写真では、ちょっとわかりにくいですが、基礎の上に土台がのっている形になっています。
土台を固定させたら、次は大引きをのせていきます。 右側の目の字の様になっているのかそれです。 大引きの下にあるのが束石と呼ばれるものですね。
写真では大引きにくっついていますが、実際には束石との間には空間があります。この空間に鋼鉄製の床束を入れたり、長さを測った角材を入れたりします。
ちなみに、部材の説明をしますと、板の右にあるのが棟木と母屋と束になります。
下にあるのが左から順番に、柱、下屋の柱、火打ち梁、桁、筋交い、梁になっています。
土台の上に柱を立てる
土台に柱を立てた状態
土台の上に、柱を立てていきます。
実際の作業では、この柱を土台に入れる時に注意しないと、指が飛んでしまう事があるらしいです。
体験塾で実際の作業をしている時に、棟梁から気を付けるように注意されました。
柱を持つときの持ち方に注意です。持ちやすいからといって、接合面に指を入れないように持ってください。
縦に1~7までの数字、横にい~とまでのひらがなを分かりやすいように書いています。
一つの桝が3尺×3尺を表しています。3尺は約91cmですね。つまり、この家は5.46m×5.46mの大きさの家の模型になります。
これは、100万円の家づくりに出てくる模型をほぼそのまま表現したものです。
実際の長さは、一ますが6cmなので、3尺(91cm)→6cmという事は約15分の1の縮尺になっています。
梁と桁を渡して束を立てる
梁と軒桁を乗せたところ
立てた柱の上に、梁をのせていきます。縦方向の短い材が梁です。
梁の上に、今度は桁をのせます。横方向の長い材が桁になります。 桁をのせたら、今度は梁の上に束をのせていきます。
梁の上に、3か所あいている四角い穴の所に束が入るわけです。
この四角い穴は、7ミリの角材にけがき線を入れ、そこにカッターで切れ目を入れた後ピンバイスを使って穴をあけていきました。
最初は手作業でやっていたのですが、数が多いので嫌になり、途中から模型用のリューターを購入してそれで穴をあけていきました。
ほぞは、近所の模型屋さんで手に入れた剃刀のこを使って切り出しました。 これも、途中からリューターを使って作るようになりました。
棟木と母屋をあげて棟上げする
母屋と棟木をのせたところ
束の上に、棟木と母屋をのせます。
一番てっぺんが棟木で、この棟木と桁の間にあるのが母屋(もや)になります。
ここまで来ると家という感じがしますね。 棟上げが大工にとって特別な日というのがわかります。
棟上げまで済んだら、あとはこれらの部材の上に垂木を等間隔に打っていくだけです。
この垂木の上に、合板を張って屋根を作るわけです。
下屋と呼ばれる空間
下屋のための柱と桁を建てたところ
この模型では、家の前に下屋と呼ばれる空間を作っています。
壁を張らずに、物置やウッドデッキを作ることを想定しています。
もちろん、実際の建物ではこの部分にも壁を張って完全に屋内にしてしまっても構いません。その場合は、この空間は土間になりますね。
束石の上に柱を立て、その上に梁や桁をのせていきます。実際には、家の作業と並行してやっていきます。
あとは間柱を入れてから、筋交いや火打ち梁を入れて補強します。
この模型では、作るのが面倒くさかったので間柱は省略しています(笑)。
筋交い・火打ち梁
斜めの角材が火打ち梁
筋交いは、家を補強する上でなくてはならないものですね。
これがないと、地震などの天災が来た時に簡単に家が壊れてしまうので重要な部分です。
最近は、耐震規制が厳しくなっているので、筋交い以外にも補強用の金具をあちこちに使います。
上の写真は、火打ち梁と呼ばれるものです。筋交いが横方向の力に対する補強であれば、こちらは水平方向の補強になります。
この模型では屋根部分にだけ入れていますが、実際は床部分にも入れて補強します。これも家の強度を上げる為の重要な部材です。
上の写真では、棟木や母屋に一定の間隔で切れ込みが入っているのがわかるかと思いますが、ここに垂木が入るわけです。
この切れ込みを入れる作業は、細工をするのが好きな人には楽しい作業となりますが、面倒くさいので省いてしまう事も多いみたいです。
ちなみに、私はこういう細工をするのが好きな方なのですが、実際に家を建てた時は面倒くさくなってしまったので、この作業は省いてしまいました(笑)。
最後に、垂木を切れ込みの中に入れて取り付けて行き、その上に合板を隙間なく張っていけば、家づくりの第一段階は終わりです。
ハーフビルドでは、ここまでを大工さんにやってもらうことが多いと思います。高所恐怖症の人なら、外壁までやってもらった方がいいかもしれません。