短期間で簡易小屋(物置)を作る方法
短期間で仮住まいを造る
今回は、短期間で小屋を建てる方法を書いていきたいと思います。体験塾で棟梁から教えてもらった方法です。
将来的には、物置(納屋)にするかもしくは車庫にでもするつもりで、当分の間寝泊まりする所を自分で作ってみてはいかがでしょうか?
上の写真は、体験塾で簡易小屋を建てた時の様子です。これは住まいとしてではなく、露天風呂を造るつもりで建てた小屋です。
広さは8畳ほどだったと記憶していますが、これの半分ぐらいの大きさでも仮住まいとしては十分だと思います。
簡易小屋(物置)の作り方 手順
ざっくり順番に挙げていくと次のようになります。
- 小屋を作る場所に穴を4か所掘る。
- その穴に垂直に柱をたてる。
- 柱に床が水平になるように4か所印をつける。
- その印から自分が欲しい高さ分の印をつける。(天井部分)
- 2本の柱の間に水平に梁を渡す。
- その上に今度は垂直方向に桁を渡す。
- 梁の上に棟木を上げるための束をたてる。
- 棟木から垂木を流す。
- 屋根と壁と床を張る。
これだけだとなんのこっちゃという感じだと思いますので、以下に出来るだけ詳しい説明を私なりにしてみたいと思います。
1.穴を4か所掘る
黒テープが穴だと考えて下さい
小屋を建てたい場所に穴を4か所掘ります。柱が入るほどの大きさで、深さは10cm~50cm程でしょうか。
深いほど頑丈にはなりますが、あまり深くすると掘るのが大変ですので適切な深さで。
穴を掘る位置は、角材を使って家の形を正確に長方形にしたいのであれば遣り方を組んで位置を出した方が良いと思います。
棟梁は、伐採した木の皮をむいた丸太を使って柱を立てていました。
丸太を使うのであれば、あまり正確には位置決めできないと思います。正確に位置を出しても、掘っている最中に狂ってくると思いますので(笑)。
棟梁は、適当な位置に4か所掘った後で水糸を引いて長さと直角を出していました(写真参照)。写真の黄色い線が水糸ですね。こちらのやり方の方が、簡単でいいかもしれません。
角材を使うのであれば外側のラインに角材が合うように、丸太を使うのであれば交点が柱の中心に来るように置きます。
直角を出すには大矩(おおがね)と呼ばれる三角定規の親分みたいなものを自作して使います。これもまた機会を見て説明したいと思っております。
穴を掘ったら、今度はその穴に砕石を入れて突き固めます。足で踏んでもいいですし、角材なんかで突いてもいいです。冒頭の写真の小屋を作った時には、確かユンボを使っていたと思います。
2.掘った穴に垂直に柱を建てる
柱の垂直を確保するつっかえ棒
掘った穴に、柱となる角材か丸太を入れます。入れた後は、柱が垂直になるように下げ振りを使って4か所立てていきます。
下げ振りというのはひもの先に錘が付いたもので、ホームセンターに千円か二千円ほどで売っています。
丸太を使った場合は、垂直に墨付けした線に合うように垂直を見ます。丸太を墨付けする方法は、これまた別の機会に出来ればと考えています。
柱を立てたら、適当な長さの角材で東西と南北の2方向につっかえ棒をして動かないようにします。使用する角材は何でもいいです。
小屋を作った時には、つっかえ棒に野地板を使用したこともありました。こんなので大丈夫なのかと思いましたが、一時的な物なので何でもいいようです。
後はそのまま埋めてしまうのですが、柱が腐りにくいように穴に入れる前にあらかじめクレオソートなどの防腐剤を塗ってから入れた方が良いと思います。
さらに長持ちさせたいのであれば、土の代わりにコンクリートを流し込んでもいいと思います。
3.立てた柱に水平になる様4か所印を入れる
青テープの位置が床の高さです
立てた柱の下の方に、床の高さの印を入れていきます。
床が水平になるようにしなければならないので、水盛缶かレーザー水準器で測量しなければなりません。
この水平を出す方法は自分でわが家を作る本(氏家誠悟・著/山と渓谷社)に詳しく書かれていますので、参考にされてはいかがでしょうか。
私も、後ほど本宅を建てる時の事を書くときに、詳しく説明したいと考えています。
写真では、わかりやすいように青テープを貼っていますが、実際には鉛筆で書いたり墨ツボで付けたりした細い線になります。
4.その印をもとに天井高さの印を4か所つける
天井の高さを表す黒テープ
今度は、天井の高さに印を入れていきます。床の高さから同じ長さになるように、4か所それぞれに印を入れるだけです。
天井の高さは自分が欲しいと思う高さで良いのですが、立てた柱の長さである程度制限されると思います。
通常の家の場合は、天井の高さは2m35cmというのが多いようです。物置だともうちょっと低くてもいいかもしれません。
棟梁の所では、伐採した木を丸太にして柱として使っていましたが、丸太を使うと施工がかなり難しくなります。
というのも、丸太というのは太さが均一ではありませんし、表面も凸凹しているからです。私としては、角材を使うことをお勧めします。この辺は、家を建てる人の好みもありますね。
切り出した丸太を使えば、確かに材料費はタダになりますが、壁や屋根などこれから施工して行くものは、どうしても納まりが難しくなります。
ですので、慣れない内はやめた方が良いのではないかと私は思っています。墨付けも難しいですし・・・。
ちなみに、今では現役の大工さんでも丸太に墨付けが出来る人は滅多にいないそうです。まあ、必要がないからでしょうね。
角材を使う場合、天井の高さ+床の高さ+地面に埋める分の長さが必要になってきますので、柱に使う材は3mぐらいが良いのではないかと思います。
5.2本の柱の間に梁を渡す
2本の柱の上に渡した梁
家を建てる時は、小さな家でもだいたい長方形の形になると思います。
この短い方に渡す材を梁と呼びます。厳密には、屋根を支える束を建てるための横材をそう呼ぶみたいです。
先ほど付けた天井高さの印の所で、4か所の柱全部を切っていきます。
丸太の場合はチェーンソーで切りましたが、水平にまっすぐに切るのは結構難しいです。
のこぎりで切ってもいいのですが、どちらを使うにせよ脚立を使った高所での作業になるので、作業に夢中になって落っこちたりしないように注意してください。
切り落としたら、長さが短い方の2本の柱の間に横材(梁)を渡していきます。ちょうど神社にある鳥居のような形のものが2組できると思います(写真参照)。
この梁と柱の接合は、体験塾ではほぞを組んでやっていましたが、面倒くさければ金具や長めのねじで止めてしまってもいいのではないかと思います。強度は落ちてしまいますけどね。
6以降は、次の記事を読んでみてください。