短期間で簡易小屋(物置)を作る方法3
自分ちの簡易小屋を建てたときの話
前回と前々回の2回にわたって、棟梁から教えてもらった簡単かつ短期間で小屋を作る方法を書きました。
私なりに出来るだけ分かりやすく書いたつもりですが、実際に作業を進めていくとこれはどうするのだろう?という部分はたくさん出てくると思います。
私もそうでしたが、こういう細かい部分は言葉で説明するのは難しいので、実際にやって慣れていくしかないと思います。習うより慣れろですね。
私は体験塾で実際に棟梁や他の仲間たちと一緒に簡易小屋を建てたので、その時の経験がその後の大工仕事をして行く上でかなり役に立ちました。
しかし、残念なことにこの体験塾は色々な理由で随分前になくなってしまいました。
さて、今回は別の方法で小屋を建てる方法を書いてみたいと思います。
設備を利用して小屋を建てる方法もある
冒頭の写真に写っているのは、前回紹介した方法で建てたうちの物置です。奥にあるのは、工事現場や屋外のイベント会場などでよく見かける簡易トイレです。
このトイレは、中古のコンテナを購入するときに一緒に購入したものです。ほとんど使用されていなかったものらしく、新品同様でした。
このトイレを利用して物置を作りました。構造は先ほど書いた様に、簡易小屋と同じです。このような感じで設備に寄り添わせる感じで小屋を建ててしまう方法もあります。
こうすることによって、柱を立てる手間を省けるので、より短期間に・より簡単に小屋を建てることが出来ます。
トイレの真横なので抵抗を感じる人もいるかと思いますが、壁で完全に遮断しているため臭いはほとんどしません。
まぁ、私の場合は既にコンテナがあったので、実際にここで寝泊まりしたことはないのですけど…。
この物置は資材置き場として使ったほか、風呂場ができるまでの仮設風呂としてもしばらく使っていました。現在は完全に資材置き場になってしまっています。
この物置の構造と施工期間
この物置は、柱に伐採した丸太を2本使用しています。何の木かは分からないのですが、腐ることもなく10年ぐらいもっています。
丸太は下が太く上に行くほど細くなっていくので、壁をまっすぐ垂直にはるのが大変でした。
私は細かいことが結構気になるタイプなので、キレイに壁をはろうとしてその分時間が掛かってしまいました。
まとめて一気に作業をしたわけではないので、正確な施工期間がわからないのですが、1週間は間違いなくかかっていると思います。
丸太の間には筋交いを1本だけ入れて補強しています。トイレ側にも補強のために、一応ツーバイ材で柱を入れています。こちら側も筋交いを1本入れています。
写真を見ると電源が出ていますが、立てた時にはまだ電気が来ていなかったので、電気工事は後でコンテナハウスの時と同時にまとめてやってもらいました。
トイレを利用した簡易小屋の作成手順
1.トイレを利用して棟木を付ける
まずは、トイレの壁に棟木になるツーバイ材を取り付けました。この簡易トイレの側面には、何に使うのかは分からなかったのですが、メスネジのボルトが付いていました。
これを利用してツーバイ材を取り付けました。取り付けた後で、柱もつけてやりました。
簡易トイレの壁はプラスチック製で、あまり強度がありそうには見えなかったので、棟木の補強と壁を取り付ける下地材として付けてやることにしたワケです。
2.穴を掘って丸太を立てる
今度は、トイレから150cm程離れた所に2か所穴を掘って、そこに伐採した丸太を入れてやりました。穴の深さは20cm程で、そこには砕石を入れて突き固めてやりました。
前回書いた、簡易小屋作成手順の1番の部分にあたります。
2本の柱の垂直を出したら、角材で動かないようにつっかえ棒を東西・南北の2か所に入れてやります。簡易小屋手順の2番に当たる部分ですね。
3.丸太を切断してから軒桁をのせる
屋根にはトタンの波板を使用するつもりだったので、2寸勾配以上になるように柱の長さを調節してやります。切断にはチェーンソーを使いました。
体験塾でも既にやっていたのですが、やはりまっすぐ水平に切るのは難しいです。切断したらその上に軒桁となるツーバイ材を2本の柱の上に渡して取り付けます。
取り付けには12cmのねじとL字金具を使用しました。
4.垂木を取り付ける
本来であれば、トイレの壁に付けた柱とこの丸太の間をつなぐ角材を入れてから垂木を流すのですが、簡易小屋という事で今回は垂木でいきなり棟木と軒桁をつないでやりました。
簡易小屋作成手順で行くと、3番の梁をわたす作業を省いて垂木を取り付けていったワケです。
丸太の芯を出してありましたので、この芯とトイレの壁までの距離が同じになるように垂木を取り付けてやりました。両端に垂木を取り付けた後で、真ん中に垂木をもう一本足してやりました。
あとは、屋根材を取り付けるための野地板を垂木に取り付けてやりました。
簡易小屋に屋根と壁を取り付ける
野地板から突き出ているのが全部釘です
壁には、棟梁からもらったプレハブで使用していた内壁を主に使っています。
下地材には、45ミリ角の角材を丸太とトイレの柱の間に取り付けました。
壁の外側には白ペンキを塗りました。そのおかげか、10年経った今でもどこも腐っていませんね。(写真には写ってませんが…)
その代わり、コケが良くつくので定期的に拭いてやっています。
屋根には、前述のとおりトタンの波板を使用しました。写真を見てもらえば、どんな風に横材を使っているのかがわかると思います。
トタンの波板は、6尺のモノを4枚使いました。これを屋根の上に並べてから、傘釘で固定していきました。傘釘は、まっすぐに横に並ぶように水糸を張りながら金づちで打っていきました。
この物置にも薄い野地板を使っているので、裏から見るとこんな風に釘がいっぱい出てしまっています。
中世の拷問器具にアイアンメイデンという物があるのですが、その内側みたいに見えなくもないですね。実際、作業中に何度か頭に刺さって痛い思いをしました(笑)。
こうならないように、普通はもっと厚みのある角材を使うみたいです。野地板の方が施工は楽ですが、後の事を考えるとやはり角材を使った方が良いと思います。
この物置に床は張っていません。これまたもらい物のプラスチック製のパレットを1枚敷いてあるだけで、基本的に地面のままです。
ドアもまたもらい物で、廃棄処分になる予定だったものを貰ってきて多少手を加えたものです。ペンキがだいぶ剥げてきてしまっているので、近いうちにまた塗りなおす予定です。
正面のドア側は軒があまり出ていないため、雨が降った時にまともに当たってビショ濡れになるので、劣化が結構激しいです。この辺は改善の余地ありですね。
簡易トイレの上にも、あとからトタンの屋根を取り付けてやりました。これは雨よけではなくて、日よけのつもりで取り付けました。
プラスチックって、太陽の光には弱いんですよね。