屋根材の施工の仕方1 垂木の上に合板を張る
垂木の上に合板と断熱材を取り付ける
今回は、屋根の下地材となる垂木の上に、合板と断熱材を取り付けていった時の話です。
前回、棟木や母屋の上に垂木を取り付けていきました。
その上にサブロクサイズ(91×182cm)の合板をとりつけ、さらに断熱材をのせていきました。
屋根の下地材である垂木を取り付けた時には、中川さんに助けてもらいましたが、今回からは全て私一人で行いました。
屋根に使用した合板は全部で96枚。100枚近い合板を、屋根の上にあげるだけでも大変でした。
広小舞を取り付けた時のひと工夫
わが家の屋根の構造
合板を上にあげる前に、垂木の先端部分に広小舞と呼ばれる角材を取り付けていきました。(上図参照)
これからのせる合板と、断熱材が滑り落ちるのを防ぐ役目を果たす部材です。
使用したのは、45×90ミリ角で長さが4mの角材です。
1人で上にあげるのも大変だったのですが、もっと大変だったのは垂木にねじ止めする時でした。
垂木の上に、広小舞に使う材を全部のせることが出来たらよかったのですが、そうすると雨が降った時に垂木に沿って水が垂れてくるため、半分の幅ほど垂木から出さなければならないのです。
だれかもう一人いれば簡単なのですが、これだけ長い材を一人だけで垂木に正確にネジ止めするのは至難の業です。 このことは、いざネジ止めしようかというときに初めて気が付きました(笑)。
応援を呼ぼうかとも考えたのですが、それだとどうしても作業が中断してしまいます。 しかし、こういう時は連続して作業を続けていきたいものです。
考えた末に、垂木と広小舞をクランプでとりあえず仮止めし、木槌でちょっとづつ叩いて位置を合わせてみることにしました。 この方法でもかなり難しかったですが、広小舞を何度か落としそうになりながらも何とか所定の位置に固定することが出来ました。
1か所でも固定できればこちらのモノで、あとはそれほど苦労することもなく仮止めできました。 しかし、この時はたまたまうまくいっただけだと思います。 他の人には、あまりお勧めできないやり方ですね(笑)。
屋根の上にのせた合板はネジで仮止め
この作業では、合板を屋根の上にあげるのが一番大変だったかもしれません。 12ミリ厚の構造用合板を使用したのですが、一枚当たり10kg以上あるんですよね。
しかも、角材と違って持ちにくいので、余計に労力がかかります。 片手で持ちながら脚立を上がっていき、屋根に届く高さになったら垂木の上にのせていくという作業を繰り返しました。
次に、垂木の上にのせた合板を下から順に張っていきました。 とりあえず、1列目をネジで四隅と真ん中だけ仮止めしていきました。
2列目からは、千鳥になるように合板の長さの半分(91cm)ズラしてから、同じようにネジで仮止めしていきました。 同じように、3列目以降の合板を仮止めしていきました。
全ての合板をのせてから釘打ち作業に移る
最終的に、コンテナ側は5列に、木造側は4列になりました。 コンテナ側は、最後の5列目が30cm程余りましたので、この部分を丸鋸を使って切断してから上にあげることにしました。
屋根の測定方法
この時に、コンテナ側の合板は少し斜めに切る形になりました。それもちょうど5cm分・・・。 これは、屋根の形を正確に四角形にするために、垂木の長さではなく直角に合わせたので、垂木を切り詰めたのと同じ寸法です。 つまり、屋根の形を測った時に、長さに合わせなかったツケですね。
左図で、3・4・5と書いてあるのが直角の測定方法です。 こちらの方で屋根の形を決めてしまったので、今回のようなことになってしまいました。トホホ・・・
反対の木造側の屋根合板は、ほぼ同じ長さでキレイに収まってくれました。
棟部分の合わせ目は、合板がキレイに揃うように丸鋸の刃を調整して角度を付けてから切りました。 合板がすき間なくぴったりと納まったことを確認してから、全ての合板を釘打ちしていきました。
使用したのは45ミリの通常釘で、垂木の部分には合板の幅91cmに対して5本の釘が入るように打っていった記憶があります。
これで両側の屋根に、全ての合板を取り付けました。 次は、この上に断熱材をのせてから、さらにその上に合板を張る作業に移ります。
屋根の上に断熱材としてポリウレタンフォームを敷き詰める
広小舞は屋根の外周を囲う形で取り付けましたので、この中に断熱材を隙間なく入れていきました。 使用したのはポリウレタンフォームと呼ばれる発泡材です。
最初はこの部分に、上にのせる合板を止めるための下地材を取り付けるつもりだったのですが、同じ構造で先に屋根を作っていた中川さんから、入れなくても大丈夫だと言われたので省くことにしました。
つまり、屋根の合板と合板の隙間に、断熱材(ポリウレタンフォーム)がみっちりと隙間なく敷き詰めてあるわけです。 断熱材の裏には、作業中に飛んでしまわないように所々に両面テープを貼りました。
広小舞に45ミリの材を使用したので、合板2枚分の厚み(12×2)を引くと、45-24ミリで21ミリしか断熱材の幅を取ることが出来ません。この幅で入る厚みとなると、20ミリ厚みの断熱材しかありませんね。
せめて30ミリ厚みの断熱材を使いたかったのですが、そうなると広小舞に60ミリ厚みの材を使わなければならなくなります。 この材を上にあげるだけでも大変そうです。
今なら使用するかもしれませんが、この時はホームセンターで見た60ミリ厚みの角材に気おくれしてしまい、とても使う気になれませんでした(笑)。
屋根を断熱材を挟む構造にしたワケ
屋根を何故このように断熱材を挟む形にしたのかといえば、上を向きながら作業したくなかったからです。 上を向いて断熱材を入れるのと、下を向いて同じ作業をするのでは、断然下を向いて作業する方が楽ですからね。
屋根の構造も、垂木と断熱材との間に隙間を設けて空気が出入りするようにすれば家の性能は上がると思いますが、虫や鳥が入ってこないように軒下にも天井材を張るというひと手間が必要になってきます。
この時は、まだそのやり方を知らなかったのでこういう構造にしましたが、今でも面倒くさいのでその構造にはしないと思います(笑)。 その手間をかけるのならば、屋根材に断熱性の高いもっといい材料を使うと思います。
断熱材の上にさらに合板をのせて釘打ちをする
さて、断熱材を入れ終えたところで、今度はその上にまた合板をのせていきました。 下の合板と同じように、千鳥になるように張っていきました。
ネジで仮止めしてから釘を打っていったのは、これまで通りです。 釘やネジには、少し長めの65ミリのモノを使用しました。
下の合板を止めた釘と重ならないように、少しズラして打っていったのですが、やはり所々でかち合ってしまいましたね。 こういう所は、位置を変えてやり直しました。
全ての合板が隙間なく並んだのを確認してから、所定の位置に残りの釘を打っていきました。 そのあと、屋根の裏側にまわり、垂木の位置を外してしまって釘が出ているところがないかを確認していきました。
やはり、数か所ですが釘が出てしまっているところがありましたね。 こういう所は裏から叩いて釘を出し、表側から出ている釘を抜いて再度打ち直しました。
屋根の下地が出来ました
さて、屋根の下地が出来ましたので、これでとりあえず雨が入ってこないようにはなりました。 しかし、このままでは大雨が降った時などは、合板に雨水が染み込んで雨漏りしてくることは間違いありません。
それを防ぐために、この上にルーフィングと呼ばれる防水材を敷き、さらにその上に屋根材を張っていかなければなりません。 ルーフィングを張り終える事が出来れば、辛かった雨除けのブルーシートを、作業のたびにかけ直す作業から解放されることになります。
次は、そのルーフィングを張る作業をした時の話です。