ツーバイ構法で壁を組み立てていく
ツーバイ工法による壁の組み立て方
今回は、木造部分の壁を作っていった時の話です。
ツーバイ工法による壁の組み立ては、思っていたよりも簡単でした。
なにせ、ツーバイ材で枠組みを作ってから合板を打ち付けていくだけですからね。
しかし、注意した方がいいところもありますので、それも書いていきたいと思います。
ちょっと大変だったのは平側の壁だけ
通常であれば、壁は四方にあるものですが、うちの場合はコンテナがありますので作るのは三方だけで済みます。
そのうちの2方も、幅が273cmしかないので、作るのも割と簡単でした。
ちょっと大変だったのは残りのひとつ、平側の壁でした。 長さが728cmあるので、枠組みを作るだけでも手間がかかりました。
この平側の壁は、壁を起こす際に助っ人に頼めそうだったのが3人だけだったので、2つに分割して起こしてから緊結するように考えました。
ツーバイ工法における壁の構成について
ツーバイ工法において、壁の構成は上枠・下枠・縦枠・まぐさ・まぐさ受け・窓枠で出来ています。 これらの材を組み立てて、合板に打ち付けていきます。
最初に上枠・下枠と縦枠の接合です。 図面を見ながら、前回作った床の上にツーバイ材を並べていき、それからネジで仮止めしてから釘を打っていきました。
ツーバイ材の間隔は455ミリピッチで、これは決められています。 壁の端には2本のツーバイ材を緊結して入れますが、これも決められている事です。 あとの残りは455ミリ間隔で、1本づつ入れていきました。
縦枠には、8フィート(約246cm)のツーバイ材をそのまま使用しました。 念のために、使用するすべての材を並べてみて、長さが同じか確認しておきました。
少しはバラつきがあるだろうと思っていたのですが、見事にすべての材が同じ長さでした。 長さをそろえるための余計な手間が減って助かりました。
ちょっとだけ大変だった開口部の製作
面倒だったのは窓やドアなどが入る開口部のところで、ここにはまぐさとまぐさ受け、それに窓枠が入ります。
まぐさとは窓の上部に横向きかつ水平に取り付けるもので、2本のツーバイ材を緊結して使用します。 まぐさ受けとは、この太いまぐさを支えるためのモノですね。
横向きに入れるため、2本のツーバイ材を緊結しても89-(38×2)で、13ミリ程合わなくなります。 この13ミリのすき間には、12ミリ厚の合板を入れて調節しました。
窓枠は、開口部の下に取り付ける材の事です。縦枠と幅が合う向きで取り付けます。
まぐさ受けの隣にも、必ずもう一本縦枠が入ります。 さらに、窓枠の下側にも両端に1本づつ支えるための縦枠が入るので、この部分は3本の縦枠が入ることになります。
これらをすべて寸法を出して切り出していかなければならないので、どこに何が入るのか分かるようにしておかないと、あとで混乱する元となります。
なので、窓やドアなどの開口部の周囲に使う材には、全てに数字やひらがなを書いておきました。
材料同士の釘の打ち方や組み合わせ方
図面通りに切り出した材を並べたら、今度はそれを釘やネジで打ち付けて組み立てていきます。 最初にネジで仮止めし、それから釘を打ちつけていくやり方で組み立てていきました。
ネイラーと呼ばれる釘打ち機があれば釘だけでもいいのかもしれませんが、手打ちでやる場合は最初にネジで固定しておいた方がやりやすいし、正確な位置に材を止められます。
ツーバイ工法では、この釘の打ち方も決められています。 どこそこの個所は、何ミリの釘をどういう打ち方で何本使用するというのがすべて決められており、それを表すための記号まであります。
この記号も、ずっと見ていると段々と覚えて来るので、慣れてくると記号を見ただけでどういう風に組み立てるのかが分かってきます。 しかし、最初の頃は本を見て確認しながら釘を打っていました。
釘の打ち方の他に材の配置の仕方まで決められているので、この組み方で合っているのかどうか確認しながらの作業となりました。
全て決まっているというのは、自由度が低いので退屈なようですが、初心者にとってはやりやすいです。 この辺も、やはりツーバイ工法が素人向きといわれる所以だと思います。
合板を張っていくときの注意点
枠組みを組み上げた後、今度は合板を張っていきました。 この時に重要なのは、四隅がちゃんと直角になっているかどうかです。
最初は、合板を張る前に対角線を測って直角を出していたのですが、合板を打ち付けている最中に合板というのは四隅が必ず直角になっているという事に気付きました。
ですので、このことに気付いてからは、合板にキッチリと合うようにしてようにして枠組みを取り付けていったところ、全く問題なく直角を出すことが出来ました。
開口部の所は、合板を打ち付けてから丸鋸で切断して開けていきました。 これは必須の様で、セルフビルドの本を見ても合板を打ち付けてから開口部を開けてねと書いてあります。
実際、開口部分を切ってから合板を取り付けようとしても、うまく合わないと思います。 無理に合わせようとすると、枠組み自体が歪んでしまう事も考えられますね。
効率の面でも、合板を取り付けてから開口部をあけたほうがいいと思います。
家の強度を上げるために合板をズラして取り付けました
さて、通常であれば下枠と合板の下端は合わせてしまうと思いますが、うちではこの部分を90ミリ出すことにしました。 そして、はみ出たこの90ミリの部分を、土台に打ち付けて行きました。
なぜこんなことをしたのかというと、強度を上げるためです。 枠と土台だけを釘打ちするよりも、それプラス合板も打ち付けてしまえば強度が上がりますので、このような形を取りました。
これは私ではなく、棟梁のアイデアです。こうした方がより頑丈な家になるのですが、欠点もあります。
合板の位置が90ミリ下にズレるため、内壁を取り付ける時に下地材のピッチが合わなくなるんですよね。 下地材を2本入れれば良いのですが、全ての壁にこれをやるとなると結構な手間になります。
もし、ツーバイ工法で家を建てた経験のある方なら、そこまでやる必要があるのかと首を傾げるのかもしれません。
しかし、頑丈さも家の品質の一部だと考えたので、少々手間がかかっても頑丈になるようにしておきました。