森の中楽給幸足生活

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本格的な基礎工事に取り掛かる

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根切り作業中の様子

本宅木造部分の基礎を造る

設計図も書き終わったところで、次はいよいよ基礎工事に取り掛かることにしました。

コンテナ下の基礎はこれまでに2度やっているのですが、遣り方や水ぬき板を用いた本格的な基礎を作るのはこの時が初めてでした。

一応、体験塾で棟梁の指導の下でやってはいるのですが、あの時は10人ぐらいでやっていましたので、分からないことがあったり間違っていたりしても、すぐに周りの誰かに聞くことが出来ました。

しかし、今度は一人きりでの基礎作りだったので、ちょっと不安でした。

基礎工事の手順

基礎工事の手順は、簡単にまとめると次のようになります。

  1. 地縄張りをして、家の位置を決める。家の下絵を地面に書くような感じ。
  2. 水盛・遣り方をしてから水糸を張る。この水糸が基礎位置の中心線になります。
  3. 根切りをする。基礎のための穴掘り作業です。 ユンボで掘ることがほとんどだと思いますが、私は全て人力でやりました。
  4. 栗石割栗石を、根切した穴の中に敷き詰める。基礎を作る前の地盤になります。
  5. 栗石を踏み固めて水平にした地盤の上に、型枠を組んで基礎を作っていく。

それでは、次に各作業の詳細について書いてみたいと思います。

地縄張りをする

地面の上に家の位置を決める作業。地縄という言葉通り、地面に縄(糸)を引いて位置を決めます。 私は分かりやすいように、白いラッカースプレーであらかじめ線を引いておきました。

このラインが、基礎の中心を通る線となります。 うちの場合は、273cm×728cmに基礎の幅分の寸法を引いた値になります。

対角線の長さをメジャーで測って同じ長さになるようにしましたが、10m以上の長さになるので、これだけの長さを正確に測れるメジャーがなくて苦労した思い出があります。

メジャーの寸法が書いてあるところが、金属製ではなくて布のような伸び縮みする素材だったので、ちょっと引っ張ったりすると伸びて寸法が狂ってくるんですよね。

この段階ではまだそれほど正確でなくても良いらしいので、大体あったところで位置決めしました。 四隅の位置には、細い杭を打っておきました。

水盛・遣り方をして水糸を張る

基礎工事 遣り方

地縄張りの線から、60cmくらい離れたところに杭を打ちました水平を測ったあとで、その杭全てに測ったのと同じ高さの位置に印をつけていきます。

水平の出し方は、コンテナの基礎をやった時と同じやり方です。

レーザー水平器を使うのが一番簡単だと思いますが、わざわざこのためだけに買うのももったいないので、レンタルする方がいいと思います。

その位置と基礎の高さとの間にどれだけ差があるのかを測り、その差が例えば15cmだったとしたら、すべての杭にその差分の長さで印をつけていきます。

余談ですが、この作業中に私は老眼が始まったことに気が付きました。 昨日までははっきりと見えていたのですが、今日見てみると眼鏡を取らないとちゃんと見えなかったんです(笑)。

上の写真は、他のお宅の基礎工事の写真です。この時の作業中の写真はありませんでした。 写真なんか取っている余裕はありませんでしたが、今思うと撮っておけばよかったですね。

杭に水抜き板を取り付ける

基礎工事 遣り方

それはさておき、これで基礎の高さですべての杭に印が付きました。 あとはその位置に合わせて、杭と杭を繋ぐように水ぬき板を取り付けていきます。

建物が大きいと、周囲全てに水ぬき板を張り巡らす様ですが、うちの場合はそれほど広くないので、四隅にだけ水ぬき板を張りました。

この水ぬき板の上に水糸を張り、基礎の位置と高さを正確に出していくわけです。

水糸の位置は、地縄張りで出した位置の真上で、基礎の上に触れない程度の高さに来るように水ぬき板の上に釘やネジを打ち、そこに引っ掛けるように張っていきます。

水糸を縦横2か所張ることが出来たら、今度は大矩(おおがね)を使って直角を見ます。 大矩は、2mの野地板を直角三角形に組んで作りました。

直角はピタゴラスの定理を使って出します3:4:5の長さの三角形は、角が直角になるというアレですね。 大工をやっていると、この定理を使って直角を測る場面が割と出てきます。

大矩を使う時のちょっとしたコツ

この大矩を水糸の下に入れてから、目視で直角を見ます。老眼だとちょっとキツい作業になるかも(笑)。 大矩は水糸のなるべく近くに置いて、離れた位置から見下ろすのがコツですかね。

さて、ここからがちょっとしたコツというか豆知識なのですが、このとき四隅全てを大矩で見ようとしないでください。

さもないと、合わなくて延々と四隅をグルグル回る羽目になります(笑)。

棟梁から聞いたのですが、この時四隅の直角が全て合うことはまずないそうです。 もし合っていたら、その方がおかしいとまで言っていました。

ではどうするかというと、三隅まで直角を確認したらあとは距離を測って出すのだそうです。 ちなみに、中川さんがこのことを知らなくて、半日グルグル同じところを回っていたらしいです(笑)。

几帳面な人ほどしやすい過ちみたいで、あまりカッチリやろうとすると逆にうまくいかないというのは、なんだか人生に通じるものがあるなと思いました。

かといって、近藤さんの様に2cmズレていても気にしないというのも問題アリだと思いますが(笑)。

根切作業(基礎の穴を掘る)をする

この水糸の下に穴を掘っていきます。 ユンボがあれば楽だったのですが、うちは独立基礎でやるつもりだったので、それほど掘らなくても良いと考えて全て人力でやりました。

穴を掘る時には邪魔なので、水糸は外しておきます

冒頭の写真が、その時の様子を撮ったものです。 奥の方にでっかい石が転がっているのが見えると思いますが、うちはちょっと掘るだけでこんな石がゴロゴロ出てきます。

季節は11月だったのですが、汗まみれになりました。 普段から鍛えていない40代のおっさんが、久しぶりの肉体労働をしたのでかなり堪えました(笑)。

四隅の他に、7m以上ある平側の下には中間にもう一つ基礎が必要だと考えて6か所掘りました。

前にも書きましたが、うちは地盤が固いので、こういう穴掘り作業は大変です。 掘っている途中で、何度もユンボを借りるのだったと思いました。

四隅のうちの一角、北西方向の根切り作業の時は大きな石が出てきたので困りました

かなり大きなユンボでないと掘り出せそうにないくらい大きかったので、この部分はサンダーとたがねを使って削ることにしました。

コンクリート用のはつり機もレンタルして試してみたのですが、残念ながらこういう岩を割ることは出来なかったですね。

割栗石を穴の中に敷き詰めていく

自作の突き固め器

穴を掘り終えたら、今度はその中に割栗石を敷き詰めていきました。 使ったのは、穴掘りの時に出て来た石が主で、足りない分は買ってきた砕石を使いました。

縦長に突き刺さるように地面に敷き詰めていきました。 穴の中に全て敷き詰め終えたら、今度は細かい砕石を入れていきました。

水平になるように敷き詰めたら、今度は水を撒いてから踏み固めていきます。 この作業もランマを使えば楽なのですが、この作業も人力でやりました。

コンテナの時とは違い、今度は上に何もないので上の写真の様な自作した道具を使ってバンバン叩いていきました。丸太を適当に切り、取っ手を付けただけのモノです。

この作業もキツかったですね。日頃あまり体を鍛えてなかったので、5分もやると息切れして一休みしないと体がもちそうにありませんでした。

体験塾にいた丸い体型のおばちゃん達に、この上でタップダンスでも踊ってもらえば楽にできるかも・・・ なんてことを考えましたが、実際にそんなこと言ったら多分殴られるでしょうね(笑)。